マイケル・ムーアの新作はトランプが題材!ムーアが考えるトランプが大統領に当選する5つの理由とは?

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『華氏911』が話題となった米映画監督のマイケル・ムーア氏の最新作が、今年の米大統領選の候補であるドナルド・トランプ氏を題材にしたものであることが明らかになりました。

ムーア監督は自身のTwitterアカウントで、18日におこなわれた映画のプレミア試写会について告知しています。

最新作のタイトルは「マイケル・ムーア・イン・トランプランド(Michael Moore in TrumpLand)」

内容はムーア監督がオハイオ州の劇場で行う予定だった、大統領選に関するワンマンショーを取り上げたもののようです。

監督によると、このショーはあまりにも物議を呼びすぎるとの事で劇場側から公演の許可が出なかったそうです。

ムーア監督は以前よりトランプ候補が大統領になることに強く反対していますが、映画の内容もトランプ候補を批判するものになるのでしょうか。

ムーア監督のトランプ候補に対する考え方は、監督のホームページを見ると明らかですが、その中でも監督は、トランプ候補が大統領になってしまうであろう可能性について5つの理由を根拠に言及しています。

どのような理由でムーア監督はトランプ候補が大統領になると考えているのでしょうか。

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1. 中西部の票読み、イギリスの二の舞

ラストベルト(錆びついた工業地帯)の奴らは、EU離脱と同じことが起きることを歓迎している。トランプは、ミシガン、オハイオ、ペンシルベニア、ウィスコンシンといった五大湖を取り巻く4つのブルーステート(民主党が優位の州)に意識を集中させると俺は思っている。

この4つの州は、もともと民主党が強い地域だが、2010年以降それぞれの州で、共和党の知事が選ばれている(最終的にペンシルバニア州だけは、今は民主党知事になっている)。3月のミシガン州予備選で投票に行ったのは、民主党が119万人なのに対して、共和党は132万人だ。

トランプは、ペンシルベニア州の最近の世論調査でヒラリーをリードしていて、オハイオ州では同点だ。同点? トランプがこれだけ無茶苦茶な発言と行動しているのに、どうしてこの大統領選レースは、これほど接戦になっているのか? 

これは多分、ヒラリーがNAFTA(北米自由貿易協定)を支持したから、製造業中心の中西部の州の壊滅を助長した、とトランプが発言しているからだ。クリントンがTPPを支持したから、この4州の人々をひどく不利な立場に置いた他の貿易政策に関して、トランプはクリントンを攻撃するだろう。

トランプがミシガン州で選挙活動している時、フォード・モーターに働く工場労働者のために、もしフォードが工場を閉鎖してメキシコへ移転するなら、メキシコで製造してアメリカに入って来る自動車すべてに、35%の関税を掛けると言った。これがミシガン州の賃金労働者たちの耳には、この上なく甘美な音楽のように響いたんだ。

そしてこの時、トランプはAppleにも、iPhoneを中国で製造するのをやめて、ミシガンの工場で製造するように強要した。もちろん人々の胸は熱くなるわな。お隣の州知事ジョン・ケーシックが手にするはずだった大勝利を、トランプが持ち逃げしたんだ。

友よ、グリーンベイからピッツバーグまで、このあたりの人は、イングランドの中流階級と同じだ。疲弊して、元気ががなく、苦しんでいる。

この地域では、いわゆる中流階級の残骸と、田園地域に大工場の大きな煙突が散在している。彼らはレーガンのトリクルダウン理論に騙されて、怒り、辛い思いで働いている(もしくは、働き口すらない)人たちだ。

いつも耳ざわりのいいことを言っておきながら、いざというときにはゴールドマン・サックスのロビイストに高額の小切手を書いてもらうのを期待して、なんでもかんでも揉み消してしまう民主党の政治家に捨てられた人たちなんだ。

イギリスで起きたことは、ここでも起きるだろう。ボリス・ジョンソンみたいなエルマー・ガントリー(口がうまいやり手のセールスマン)が現れ、どんなにひどい状態になるとわかっていても、今がチャンスなんだ!と確信させるように適当なことを大衆に言うだけだ。

アメリカンドリームをぶち壊した奴ら全員に貼り付け! そしてアウトサイダーのドナルド・トランプが、奴らを懲らしめるためにやって来た! トランプに同意する必要はない! 好きになる必要だってない! トランプは、君らが嫌な人間たちに投げつける火炎瓶だ。それでなくても、彼らは君らに火炎瓶を投げつけてくるんだ! メッセージを送れ! トランプは君らのメッセンジャーだ!

そして、ここで数学が役に立つ。2012年、共和党大統領候補だったミット・ロムニーは64人の選挙人の票差で敗北した。ミシガン州、オハイオ州、ペンシルベニア州、ウイスコンシン州で投票された選挙人票を足してみれば、合計64だ。トランプの予想通りで、トランプがやればいいことは、アイダホ州からジョージア州まで(決してヒラリーには投票しない州)のレッドステート(共和党が優位の州)を制したら、あとはこの4つのラストベルト州を押さえるだけだ。

トランプにはスイングステート(選挙のたびに結果が変わる州)のフロリダ州は必要ない。コロラド州やバージニア州も必要ない。ミシガン州、オハイオ州、ペンシルベニア州、ウイスコンシン州だけだ。これで、トランプはトップに躍り出るだろう。これが11月に起こる。
出典:www.huffingtonpost.jp

2. 怒れる白人、最後の抵抗

我がアメリカ男性たちが主導してきた240年間の統治は、終わろうとしている。一人の女性が、その座を引き継ごうとしている! なんでこんな事態になったんだ?! 

注目! 警告のサインは出ていたが、俺たちはこれを見逃していた。ニクソンは、ジェンダーに冷たかったけど、タイトルIX(男女教育機会均等法)を作った。この法律は、学校で女子生徒も男子生徒と同じスポーツをする権利を持つべきだと言っている。

その後女性たちは、民間ジェット機でパイロットにもなれるようになった。気がついたら、ビヨンセが今年のスーパーボウル(俺たちのゲームだ!)で、大勢の黒人女性と一緒にフィールドに雪崩込み、拳を突き上げ、男性の支配はここで終わった! と宣言していた。おお、なんてことだ! 

これは、危機に瀕している白人男性の心の中がかいま見える光景だ。本人の手から権力がすり抜けていき、彼らのやり方は、もはや容認されないという意識が芽生えている。

この「フェミナチ」(保守派のフェミニストに対する蔑称)っていう怪物は、トランプが言ったような「目から血を流している、どこであっても血が出ている」(トランプが女性の生理を侮蔑した発言)奴らが、俺たち男を征服するんだ。

そして今や、俺たちに指図してきた黒人の男に8年間耐えなきゃいけなかったのに、今度は大変なことは傍観する、そして威張り散らす女のもとで、8年間を過ごすことになるのか? その後の8年間は、ゲイがホワイトハウスに入るのか! 

それからトランスジェンダーか! 君たちは、そんなことを目の当たりにする。その時までには、動物にも人権を認められているだろう。そしていまいましいハムスターが、この国を統治していることだろう。これは止めないといけないな!
出典:www.huffingtonpost.jp

3. ヒラリー問題

ここだけの話だけど、正直に話していいか? そして俺たちが話す前に、これだけは言わせて欲しい。

俺はヒラリー・クリントンが好きだった、それもかなりな。ヒラリーは、不当な濡れ衣を着せられてきたと思う。ヒラリーがイラク戦争に賛成したから、俺は二度とヒラリーに投票しないと決めた。今日まで、そのつもりでいた。ファシストもどきが最高司令官になるのを防ぐために、俺はその決心を改めようと思っている。

悲しいことだが、ヒラリーは何かしら軍事行動を起こして、俺たちを従軍させる方法を見つけるだろう。ヒラリーはオバマより右寄りで、タカ派だ。しかしトランプの錯乱した指が、あの核ボタンに掛かったら、それでおしまい。完全に終わりだ。

現実を見てみよう。ここでは、俺たちにとって最大の問題はトランプではなく、ヒラリーだ。ヒラリーはまったく人気がないし、有権者のほぼ70%が、ヒラリーを信用できないと言っているし、不誠実だと考えている。ヒラリーは旧来の政治を象徴している。実際には、君たちの選挙権以外何も信用していない。一時期だけ同性婚反対のために闘い、その後は、同性婚の司祭を務めている。

若い女性が、最大の反ヒラリー派だ。この若い世代が、世界中のバーバラ・ブッシュ夫人のような人たちに、「黙ってクッキーを焼きなさい」(ヒラリーはかつて「私は家でクッキーを焼くような人間じゃない」と言って反発を受け、専業主婦のブッシュ大統領夫人とクッキーレシピ対決をした)と言われる必要がないように、ヒラリーやその同世代の他の女性たちが耐えた犠牲と闘いを考えたら、若い女性たちは心を痛めないといけないな。でも、その子どもたちも、ヒラリーが嫌いだ。

そしてミレニアル世代が、毎日のようにヒラリーには投票しないと言っている。民主党員でも、無党派でも、オバマが大統領になった日とか、バーニー・サンダースが予備選の投票に臨んだ時みたいに、11月8日に目覚めて、みんなワクワクしながら急いでヒラリーに投票しに行くなんてことは、有り得ないだろう。そんな熱狂はどこにもない。そしてこの選挙の勝敗を決めるのは、たった一つのことだ。つまり、誰が家にいる人々をより多く引っ張りだして投票させるか、ということだ。トランプはちょうど今、有利な立場にいる。
出典:www.huffingtonpost.jp

4. サンダース支持者の意気消沈

クリントンに投票しないバーニーの支持者に、やきもきするのはやめよう。俺たちはクリントンに投票するんだ! 世論調査をみたら、今年ヒラリーに投票するサンダース支持者の数は、2008年にオバマに投票したヒラリー支持者の数より多い。ここが問題じゃない。

やばいのは、ちまたのバーニー支持者が、当日ちょっと消極的だけどヒラリーに投票するために投票所に足を運ぶ。これが俺が言うところの「意気消沈した票」だ。つまり、そいつらは、投票所に有権者を5人連れて来ないんだ。それに、月に10時間選挙ボランティアをしない。どうしてヒラリーに投票するつもりなのかを、興奮した口調で話すこともない。

彼らは意気消沈した有権者なんだ。なんでかっていうと、若い人だったら、インチキやたわごとを一切容認しない。彼らにとってクリントン・ブッシュ時代に戻ることは、いきなり音楽を聞くために金を払わないといけなくなり、MySpaceを使って、巨大な携帯電話を持ち運ぶ時代に戻るようなものだ。彼らはトランプに投票しないだろう。そのうち第三の政党に投票する奴もいるだろうが、多くは家の中だ。ヒラリー・クリントンは、自分を支援する理由を彼らに与えるために、何とかしないといけない。

そして穏健派で物腰の柔らかい中道の白人男性のおっさんを副大統領候補にしたのは、ミレニアル世代からすると、ヒラリーが自分たちの票を重視していないように思うから、賢い戦略ではない。正副大統領候補に2人の女性が並ぶ案も浮上したよな。これはワクワクするアイデアだったけど、ヒラリーは逃げを打って、安全策を取った。これはヒラリーが、若者票を逃してしまっているいい例だ。
出典:www.huffingtonpost.jp

5. ジェシー・ベンチュラ効果

結局、有権者の何かしでかしてやろうというパワーを過小評価してはいけないし、いったん投票ブースのカーテンを閉めて、一人きりになったら、自分が隠れアナーキストだと自認している大衆を見くびってはいけない。

投票ブースはセキュリティカメラや盗聴器が付いていないし、配偶者も子どもも上司も警官もいないし、いまいましい制限時間もない、世の中に残された数少ない貴重な場所だ。そこでは、必要なだけいることができるし、誰も何かをするように強制することはできない。ボタンを押してもいいし、党の公認候補にも、そうでなけりゃはミッキーマウスとかドナルド・ダックと書いて投票することだって出来る。規則はないんだ。

そして大勢の人間が疲弊した政治体制に怒っているから、大衆はトランプに同意するわけでもなく、トランプの偏狭な考えとかエゴを気に入っているとかでもなく、ただ、投票できるからっていうだけでトランプに投票する。計画をぶち壊しにして、パパやママをこまらせてやろうっていうくらいの気持ちで、これをやる。

ナイアガラの滝の端に立っている時、一瞬、柵を越えたらどうなるんだろうって心の中で思うのと同じような感覚で、黒幕になったような気分で、どうなっちゃうのか見てみたい一心でトランプにポンと票を入れる奴はいっぱいいるだろう。

90年代に、ミネソタ州で知事にプロレスラーが選ばれたことを思い出してほしい。ミネソタ州の人たちの頭が悪いからそうなったわけじゃない。彼らが、ジェシー・ベンチュラは優秀な指導者で、政治的見識を持った人物だと思っていたら、彼に投票しなかっただろう。

彼らは、ただ単にやってみただけだ。ミネソタ州は、アメリカでも最も賢明な州の一つだ。一方でミネソタ州の人たちはブラックユーモアを好む。そしてベンチュラに投票したのは、病んだ政治体制に対する、彼らなりの辛辣な悪ふざけだった。これがトランプにも再び起こる。
出典:www.huffingtonpost.jp

まとめ

この記事が書かれたのは今年の7月のようですので、当時と現在とでは状況が変わっているかもしれませんが、個人的には5番目の理由のブラックユーモア見たさでトランプ候補に投票する人が多いのではないかとの考えには私も同意できます。

むしろ、私が米国の有権者であれば、無難にクリントン候補に投票するよりも、何かしでかしそうなトランプ候補に投票しようと思っていたかもしれません(笑

トランプ候補が、クリントン候補とここまで接戦を演じることを誰が予想したでしょうか。

ムーア監督がこの時期に映画を公開する意図も何かあるのかもしれませんね。

映画はもちろんですが、11月の大統領選挙がどのような結果になるのか、非常に関心のあるところです。

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