旋毛虫症の症状や感染源は?予防するにはどうすればいいの?トキソプラズマ症との違いってなに?

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【食事中の方は閲覧に注意してください!】

2016年12月23日、茨城県で野生のクマ肉のローストを食べた客と経営者ら15人が旋毛虫(せんもうちゅう)による食中毒を発症するという出来事がありました。

茨城県は23日、水戸市南町3丁目の飲食店「ビゴリ」で野生のクマ肉のローストを食べた客と経営者ら15人が発疹や発熱などの症状を訴え、食中毒と断定したと発表した。
引用:asahi.com

旋毛虫が原因の食中毒は国内では35年ぶりだそうですが、旋毛虫による食中毒というとはどのようなものなのでしょうか?

調べてみると、旋毛虫が原因の食中毒には「旋毛虫症」と呼ばれる感染症があるようです。

今回は、旋毛虫症の症状や感染源、予防方法などについて調べてみたいと思います。

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旋毛虫(せんもうちゅう)症とは?

旋毛虫症とは、回虫の1種である旋毛虫によって起きる感染症です。

回虫とは、人をはじめとして多くの哺乳類の小腸などに寄生する寄生虫のことをいいます。

旋毛虫

旋毛虫

出典:southampton.ac.uk

日本で初めて旋毛虫感染症が確認されたのは、1974年青森県岩崎村で野生のクマの肉をサシミで食べたハンター仲間での集団発生とされています。

また、1981年12月から1982年1月にかけて三重県四日市市の旅館でツキノワグマの冷凍肉のサシミを食べた413人中172人が感染した例も確認されています。

旋毛虫症は、回虫の1種である旋毛虫によって起きる感染症です。
引用:ja.wikipedia.org

旋毛虫の幼虫は動物、特に豚、野生の熊、セイウチ、馬、多くの肉食動物の筋肉組織内に住んでいます
引用:merckmanuals.jp

回虫(カイチュウ、蛔虫とも)は、ヒトをはじめ多くの哺乳類の、主として小腸に寄生する動物で、線虫に属する寄生虫である
引用:ja.wikipedia.org

1981年12月から1982年1月にかけて三重県四日市市のM旅館でツキノワグマの冷凍肉のサシミを食べた413人中172人が、発疹・顔面浮腫・筋肉痛・倦怠感などの症状を示しました。ツキノワグマの冷凍肉から旋毛虫( Trichinella spiralis )が検出され、ツキノワグマの冷凍肉のサシミを食べた人60人で旋毛虫( Trichinella spiralis )に対する抗体が陽性となりました。このツキノワグマは、京都府および兵庫県で捕獲されたもので仕入れ業者は解体後販売時まで-27℃で保存していました。三重県四日市市のM旅館は仕入れ後は-15℃で保存し、サシミで客に提供していました。
引用:city.yokohama.lg.jp

日本で初めて確認された旋毛虫感染症(トリヒナ症)の集団発生は、1974年青森県岩崎村で野生のクマの肉をサシミで食べたハンター仲間での集団発生とされています。
引用:city.yokohama.lg.jp

旋毛虫症はどんな場合に感染するの?

旋毛虫症は豚、野生の熊、セイウチ、馬などの肉食動物の肉を、調理されていなかったり、調理が不十分なまま食べることによって感染します

旋毛虫の幼虫は、コラーゲンのカプセル(嚢(のう))にくるまって動物の筋肉の中に住んでいます。

旋毛虫の幼虫を含んだ肉を未加熱あるいは加熱不十分で人が食べることで、胃の中で嚢の外の膜が消化され、幼虫がワサワサと出て来てと活動を始めます。

さらに小腸に入った幼虫は、粘膜に深く入り込み30時間以内に成虫となります。

成虫となった旋毛虫は腸の中で交尾します。

成虫はその後死滅するか体外へ排出されますが、雌(めす)が産んだ幼虫はリンパ管や血流に乗って体中に運ばれ、舌の筋肉、眼の周囲の筋肉、肋骨(ろっこつ)の間の筋肉などに感染し、炎症を起こします。

調理されていなかったり、調理が不十分なまま寄生虫に汚染された動物の肉を食べることによって感染します。中でも豚からの感染が多く、特に豚の飼料に生の肉片や残飯を与えている場合に生じます。
引用:merckmanuals.jp

生きた旋毛虫のシストが入っている肉を食べると、シストの外膜が消化され、幼虫が放出されてすぐに成虫になり、腸の中で交尾します。成虫は交尾した後、雄は死んでその役割を終えます。雌は腸壁に潜りこみ、7日目までには幼虫を産むようになります。

雌は幼虫を4~6週間産み続けてから死ぬか、体外へ排泄されます。幼虫はリンパ管や血流に乗って体中に運ばれ、筋肉に入りこみ、炎症を起こします。1~2カ月でシストを形成し、シストは体内で数年間生存することができます。

舌の筋肉、眼の周囲の筋肉、肋骨(ろっこつ)の間の筋肉などに最もよく感染します。
引用:merckmanuals.jp

旋毛虫の幼虫を含んだ肉を未加熱あるいは加熱不十分で食べることにより、旋毛虫感染症(トリヒナ症)に感染します。旋毛虫の幼虫は、被嚢幼虫という状態でシスト(嚢;コラーゲンのカプセル)にくるまって筋肉内にいます。このような肉を食べると、胃の中で筋肉は消化され、幼虫がシスト(嚢)から出て来て活動を始めます。小腸で、幼虫は粘膜に深く入り込み、30時間以内に成虫となります。オスの成虫はメスとの交尾後、間もなく死にます。メスの成虫は、約4-6週間で約500-1500程度の幼虫を生みますが、出産の完了後、間もなく死にます。生まれた幼虫は、循環器系を通じて全身に散っていきますが、最終的には横紋筋の筋肉細胞に行き着きます。幼虫は、活発に動く筋肉を好みます
引用:city.yokohama.lg.jp

旋毛虫症はどんな症状が出るの?

【主な症状】
痒み、発疹、顔面浮腫、筋肉痛、倦怠感等

旋毛虫症の症状は、段階的に現れます。

旋毛虫の幼虫を含んだ肉を未加熱あるいは加熱不十分で食べた後、半日から2日で腹部の不快感があることがありますが、この段階では症状は軽いことが多いです。

その後、食中毒のような吐き気、嘔吐、下痢などの腹部症状がはじまり、1-7日程度続くことがあります。

感染後1-6週間では全身に幼虫が散らばるようになるので、幼虫が寄生した部位で麻痺・痙攣・幻覚などの神経症状が現れることがあります。肺炎、胸膜炎、脳炎、髄膜炎、腎炎、腹膜炎、結膜炎などの炎症を起こし発熱することもあります。

感染後10日-6週間では、筋肉にたどり着いた幼虫が筋肉への寄生を始めるため、筋肉痛、筋肉の腫れ、筋力低下などの筋肉症状が出ます。

心臓の筋肉の働きが弱くなると、脈拍が弱くなり、血圧が下がることによって心不全、呼吸不全、肺炎、腎不全などから死に至ることもあります。

旋毛虫の幼虫を摂取したのが少量ならば無症状のことも多いですが、大量ならば死に至る可能性もある病気です。

旋毛虫の幼虫を含んだ肉を未加熱あるいは加熱不十分で食べた後、半日から2日で腹部の不快感があることがありますが、軽いことが多いです。その後、食中毒のような吐き気、嘔吐、下痢などの腹部症状がはじまり、1-7日程度続くことがあります。しかし、腹部症状がほとんど見られないこともあります。息苦しさや紅い発疹が出ることもあります。発熱や顔のむくみが見られてきます。感染後1-6週間では全身に幼虫が散らばるようになるので、幼虫が出現した部位で炎症などの症状が出る可能性があります。肺炎、胸膜炎、脳炎、髄膜炎、腎炎、腹膜炎、結膜炎などの炎症を起こし発熱することがあります。心臓の筋肉(心筋)に幼虫が出現し、心筋炎を起こし死に至る場合もあります。目の周り・顔や手足に部分的な腫れが見られることがあります。麻痺・痙攣・幻覚などの神経症状が現れることもあります。感染後10日-6週間では、筋肉にたどり着いた幼虫が筋肉への寄生を始めるため、筋肉痛、筋肉の腫れ、筋力低下などの筋肉症状が出ます。呼吸や飲み込みにも筋肉が関わっていますから、呼吸困難や嚥下困難が出ることもあります。首の筋肉の腫れが目立つこともあります。心臓の筋肉(心筋)の働きが弱くなると、脈拍が弱くなり、血圧が下がります。心不全、呼吸不全、肺炎、腎不全などから死に至ることもあります。旋毛虫の被嚢幼虫をどれぐらい摂取したかによって、重症度は影響を受けると考えられます。少量ならば、無症状のことが多いと考えられます。大量ならば、死に至る可能性があります。
引用:city.yokohama.lg.jp

旋毛虫症の治療方法は?

旋毛虫症は治療をしなくても、感染後3カ月ほどたてば大半の症状は消えますが、その後も筋肉が痛む、疲れやすいといった症状は残る場合があります。

治療薬としては、小腸の旋毛虫に対しては殺菌剤の一種チアベンダゾールが、筋肉の旋毛虫に対しては駆虫薬のメベンダゾールが使われることがあります。また、炎症を静めるためにステロイド薬が併用されることもあります。

治療をしなくても、感染後3カ月ほどたてば大半の症状は消えますが、なんとなく筋肉が痛む、疲れやすいといった症状はその後も残ります。
引用:merckmanuals.jp

治療薬として、小腸の旋毛虫に対してthiabendazole、筋肉の旋毛虫に対してmebendazoleが使われることがあります。また、炎症を静めるため、ステロイドが使われることがあります。
引用:city.yokohama.lg.jp

虫自体に対しては駆虫薬(くちゅうやく)(メベンダゾール)を内服します。ただし、体中の虫がいっぺんに死ぬと激しいアレルギー反応が起こるので、ステロイド薬を併用します。また、呼吸障害や心不全がある時には、それに応じた治療をします。
引用:health.goo.ne.jp

旋毛虫症の予防は?

旋毛虫症は、肉を71度以上で十分に加熱調理することで予防できます

-15度で30日間、-25度で10日間といった冷凍が、肉の中の幼虫を殺すのに有効な場合がありますが、寒冷地由来のものや、野生動物のものでは、冷凍に強い幼虫も見られ冷凍は完全な予防法ではないといわれています。

十分に加熱処理をして食べることが重要ですね。

1. 肉は、よく加熱して食べましょう。生肉や加熱不十分な肉は、食べるのは止めましょう。
(中略)
2. 摂氏-15度で30日間、摂氏-25度で10日間といった冷凍が、肉の中の被嚢幼虫を殺すのに有効な場合がありますが、寒冷地由来のものや、野生動物のものでは、冷凍に強い被嚢幼虫も見られ、冷凍は完全な予防法ではありません。やはり、肉は、よく加熱して食べましょう。
引用:city.yokohama.lg.jp

旋毛虫症は、豚肉や豚肉加工品などの肉類を71℃以上で十分に加熱調理することで予防できます。あるいは、-15℃で3週間、または-29℃で6日間肉類を冷凍すると幼虫は死んでしまいます
引用:merckmanuals.jp

トキソプラズマ症と旋毛虫症の違いは?

トキソプラズマ症と旋毛虫症の違いを簡単にまとめてみました。

病原体

トキソプラズマ症: ネコ科動物を終宿主とする寄生性単細胞生物であるトキソプラズマ原虫

旋毛虫症: 回虫の1種である旋毛虫

 トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)は、ネコ科動物を終宿主とする寄生性単細胞生物で、
引用:cpvma.com

感染源

トキソプラズマ症: 放置されたネコの糞便や土壌など(オーシスト)と、加熱の不十分な食肉に含まれるトキソプラズマ原虫の嚢(シスト)の経口(口からの)摂取。

旋毛虫症: 加熱の不十分な食肉に含まれる旋毛虫の嚢(シスト)の経口摂取。

トキソプラズマのヒトに対する感染は、加熱の不十分な食肉に含まれる組織シスト、あるいはネコ糞便に含まれるオーシストの経口的な摂取により生じる。
引用:nih.go.jp

症状

トキソプラズマ症:
無症状から頭痛、軽い発熱等の軽度の症状を示す場合が多いとされていますが、免疫の低下している人は重篤な症状を引き起こすため、注意が必要です。

旋毛虫症:
痒み、発疹、顔面浮腫、筋肉痛、倦怠感等

感染しても、無症状から頭痛、軽い発熱等の軽度の症状を示す場合が多いとされていますが、免疫の低下している人は重篤な症状を引き起こすため、注意が必要です。妊娠期間中に初めて感染した場合、胎盤感染が起こり、流産、死産、早産、胎児が感染したことによる脳症、水頭症、子供の発育不全、精神遅滞、視力障害などが起こる可能性があります。
引用:fsc.go.jp

予防

トキソプラズマ症:

  • 肉(内臓を含む)はよく火を通す
  • 果物や野菜は食べる前によく洗う。皮をむく
  • 生肉や洗っていない野菜に触れた手、まな板、食器、調理器具等はよく洗う。 (肉用のまな板は他のものと分ける)
  • ガーデニング等、土に触れる作業には使い捨て手袋を着用し、作業後はせっけんと温水で手をよく洗う
  • ネコは室内で飼い、市販のキャットフード(缶詰、ドライフード等)を与え、加熱不十分な肉は与えないようにする
  • ネコの糞便はすぐに片づける

旋毛虫症: 肉を71度以上で十分に加熱調理する

(1) 肉(内臓を含む)はよく火を通す。
(2) 果物や野菜は食べる前によく洗う。皮をむく。
(3)生肉や洗っていない野菜に触れた手、まな板、食器、調理器具等はよく洗う。
 (肉用のまな板は他のものと分ける)
(4)ガーデニング等、土に触れる作業には使い捨て手袋を着用し、作業後はせっけんと温水で手をよく洗う。

*ネコを飼っている方へ
 外に出るネコの場合は、ネズミや鳥を捕食することでシストを取り込んだり、オーシストを含む土壌等を舐めてしまうことにより、感染することがあります。
 ネコは室内で飼い、市販のキャットフード(缶詰、ドライフード等)を与え、加熱不十分な肉は与えないようにしましょう。
引用:cpvma.com

まとめ

今回は、旋毛虫(せんもうちゅう)症の感染源や症状、予防の方法などについてまとめてみました。

旋毛虫症は、主に豚肉といわれているようですが、肉を十分に加熱処理をしない状態で食べることで感染するようです。

肉に含まれる旋毛虫は71度以上で加熱調理すれば死滅するということですので、しっかりと調理して食べるようにしたいですね^^

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