豪ドルの金利はなぜ高いのか?

以前より疑問に感じていた、豪ドルの金利はなぜ高いのかについて調べてみましたのでまとめてみます。

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好景気が続いている


出典:ecodb.net

上の画像はオーストラリアの実質GDPの推移を表したものです。

GDPは右肩上がりに成長しています。

GDPは、「消費 + 投資 + 輸出 – 輸入」の式で計算されます。

オーストラリアのGDPのうち輸出と輸入はGDPと同様に上昇し、2010年時点で2,107億ドルと2,004億ドルとほぼ同額(オーストラリアの経済)であることから、消費と投資も増加していることがわかります。

GDPはその国の景気の良し悪しを示していますので、GDPが右肩上がりであるということは景気も右肩上がりに良くなっているといえます。

上に示したように景気が良いということは、消費や投資が増加し物価も上昇する傾向があります。

物価の変動を表す指標を消費者物価指数と言いますが、オーストラリアの消費者物価指数もGDP同様、右肩上がりで上昇しています。

物価が持続的に上昇することを「インフレ」と言いますが、インフレになると物を購入するためにより多くの資金が必要となりますので資金不足が発生してしまいます。

政府はその資金不足を補うために海外から豪ドルへの投資を呼び込もうと考え金利を上げます。

つまり好景気が続く中で、インフレ対策として実施された経済政策が高金利政策です。

しかし、現在はインフレ率も1.83%とインフレターゲットの2-3%以下の数値となっており、オーストラリアの政策金利は2.00%まで低下しています。

豪州は資源国である

オーストラリアは世界でも有数の資源国ですが、そのためオーストラリア経済は資源の価格に左右されやすくなります。

オーストラリアの主要な資源は鉄鉱石ですが、以下は鉄鉱石の価格と豪ドルの推移を示したグラフになります。


出典:www.daiwa-am.co.jp

鉄鉱石の価格と豪ドルは似た動きをしていることが分かります。

鉄鉱石の価格はもちろん需要に左右されますが、オーストラリアの鉄鉱石の主要な輸出先は中国であり、鉄鉱石価格の下落は、中国の景気減速と資源大手価格の増産による供給過多が原因ではないかとされています。

資源価格の低下はモノの価格の低下ともいえますので、物価に影響を与えます。

今年の2月の豪ドル金利の引き下げは、「原油や鉄鉱石など資源価格の下落による消費者物価指数(CPI)の上昇率鈍化など」を理由にしておこなわれていることからも、資源価格の低下が、物価に影響を与える可能性がわかります。

物価の上昇が鈍化するということは景気にもマイナスの影響を与えますので、インフレ対策としておこなっていた高金利政策を見直す原因ともなります。

豪ドルの金利に関するまとめ

豪ドルの金利が高い理由は、①好景気が続いていることと、②オーストラリアが資源国であることが理由でした。

2つ理由を挙げましたが、①の好景気が続いている理由もオーストラリアが資源国であることが要因なのかもしれません。

しかし現在の金利は、高いと言っても2008年以降最低の利率である2.00%まで低下しています。


出典:www.gaitame.com

金利低下の理由として、上でまとめたように①インフレ率が高くないことで物価の上昇を抑制する必要性が低下したこと、②中国の景気減速を要因とした鉄鉱石の価格低下によりオーストラリア国内の景気向上の鈍化が懸念されること、の2点が考えられるのではないかと思います。

豪ドルを動かす中国の経済指標

中国の経済指標の中でも「PMI」が重要

先に述べたように、オーストラリアの鉄鉱石の主要な輸出先は中国です。そのため中国の経済動向は豪ドルの変動にも大きく関わってきます。

中国製造業購買担当者指数はPMIとも呼ばれ、政府発表のものとHSBC(香港上海銀行)が発表するものがありますが、特にHSBCのPMIが重要視されています。

PMIとは、製造業における先行きの見通し(どのぐらい資材・生産材料が必要かなど)を判断する重要な指標であり、資源の消費に影響を与える指標です。

PMIが予想よりも上向いていれば、中国における資源消費がさらに活発化するだろうと想定され豪ドルは買われます。一方、PMIが予想よりも悪化すれば、豪ドルは売られることになります。

豪ドルが買われる理由

資源国である

豪州は資源国である」でも鉄鉱石の価格と豪ドルの推移の類似性を取り上げましたが、自国で産出した資源を輸出できるオーストラリアは資源需要による商品価格の上昇で通貨も値上がりしやすい性質を持つため為替差益を目的とした投資対象としても買いやすいといえます。

中国人民元の代替

鉄鉱石の最大の取引先である中国の景気の影響を受けやすい豪ドルは、中国人民元の代替として買われることもあるようです。

しかし中国の景気減速と中国人民元の主要通貨入りが決定した現在では多少環境も違っているかもしれません。

主要通貨入りをしたことで何が変化するのか、その辺りも今後調べていきたいと思います。

最後に

豪ドルの金利がなぜ高いのかは以前より疑問だったのですが、資源の取引先国である中国の影響も大きいことが原因だったのですね。

今後また中国の景気が向上すれば、資源需要も増え豪ドルの金利も上昇するのかもしれませんね。

参考

物価の上昇に連れて、お金をたくさん払わなければ物が買えない状況(インフレーション)に陥ってしまいますので、今度は資金が不足してしまいます。

豊富な資源を有する資源国なので、原油などの資源の価格に左右される一面も持っています

資源価格が上昇すると、オーストラリアの景気は上向くという期待から為替が上昇する傾向があります

中国を始めとした新興国の成長に期待して、豪ドルの外貨預金に投資している方もいらっしゃいますよ
出典:www.smtb.jp

豪ドルは緩やかに下落、経済は2015年底打ち
出典:toyokeizai.net

中国の経済指標の中でも「PMI」が重要
PMIが(予想よりも)上向いていれば、中国における資源消費がさらに活発化するだろうと想定され、豪ドルは買われます(豪ドル高円安)
出典:allabout.co.jp

先進国の一員であり、カントリーリスクが低い豪ドルヘの投資は、資金の振り向け先として安心感が持てるのだ。

中国の代替として買われている

出典:www.informingtechnologies.com

中国株の急落を受けて中国の景気下振れ懸念が高まったことが足元の鉄鉱石価格の下落の要因と考えられます。加えて、世界的な大手資源各社がシェア拡大を目指して、価格が下落しているにもかかわらず増産を続けているため、供給過多になりやすいという需給構造もこれまでの価格の下落の要因とみられています

出典:www.daiwa-am.co.jp

引き下げの理由として原油や鉄鉱石など資源価格の下落による消費者物価指数(CPI)の上昇率鈍化などを挙げた。
出典:www.nikkei.com

豪ドルが多くの諸国から資金を集めている3つ目の理由は、中国元の代わりに豪ドルが買われているという実態である。
出典:www.informingtechnologies.com

自国で産出した資源を輸出できるオーストラリアはゆっくりとしたインフレが起こりやすく、商品価格の上昇で通貨も値上がりしやすい性質を持ちます。これが「資源国通貨」呼ばれる通貨のメリットです
出典:www.tetujin-vinegar.com

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